「…見つからない…」



何処にいるのか全然解らない。



「何処だよぉっ!」



予兆。


アスランの予兆。


でも、それは君に降りかかることじゃ、なかったはずなのに。


何時も二人一緒にいれるはずだったのに。


君となら何処でもいけるはずだったのに…!


「いなくならないでよぉ!」



兄がいないと何も出来ない。


どうすればいいか解らない。


自分ひとりじゃ何にも出来ない。


役立たずな僕。



「…消えないで…」



苦しい思いが僕を悩ます。


大切でしょうがない…


しょうがないのに見つけ出してあげられない。


僕なんかいらないと言うだろうか…


役立たずだと、思っているだろうか…?



「キラ…!」


「…ミリアリア…」


「もぉー雨降ってるのに傘も持たないででかけて!  アスランが見つかってもキラが風邪引いてたらしょうがないでしょ!?」



何時も構ってくれるミリアリア。


でも、今は…嬉しくなかった。



「キラ?
 ……ほら、傘!」


「要らない」


「え?」


「見つからなかったら…要らない」


「何言ってるの!?」


「だって…見つからなかったら風邪引いてなくても意味ないもん!」



 バシッ



「…何バカな事言ってるの…?」


「…ミリ…」


「アスランがいなかったら自分は死んでも良いの…?」



僕は…この世に要らない人間だって…。



「私はアスランもキラもいなくなるのは嫌。
 だから、風邪引かないで。一緒に探そう…」


「…………っ…」



痛い


何故かチクッと胸を指す。



「ほら、キラ、傘持ちながら捜す!」


「はぁーい」



……本当に何処にいるんだろう?


アスラン…心配だよ……君が。











ザアアアアアアアアアアアアアアアアッ














「……はい、まだ、捜している模様ですわ」





<続く>